犯人に告ぐ

「犯人に告ぐ」は2007年の日本映画で、
瀧本智行監督。豊川悦司、石橋凌出演。
神奈川県川崎で起こった児童連続殺人事件で行き詰まってしまった神奈川県警は、一人の男を特別捜査官に任命したのだ。その男は、6年前の児童殺人事件で犯人を取り逃がしてしまった巻島という男だったのであった。そんなことから巻島はテレビ出演することになるのである。
この映画は、極上の和製ポリティカルサスペンスなのだ。警察の組織の中で、ただただ犯人を捕らえることのみにこだわり、ありとあらゆる手段を講じて犯人逮捕を目指す巻島であった。その精神や風貌を俳優豊川悦司が完璧に表現していて、渾身の力で演じているのだ。それは凄まじいほどの演技をしている。
その精神に沿うようにダークな色調と淡々とした演出が鈍く響きわたり、ポリティカルサスペンスの王道を颯爽と行くような仕上がりになっているのである。このような研ぎ澄まされこだわった邦画がどんどん出てくるといいですね。
ドッシリと重く、人間の奥深さを貫いた作品といえるのだ。劇場での公開は終わっているので、DVDで見てほしい極上の邦画である。