HD DVDとBlu-ray両対応のディスク発表-米ワーナー・ブラザーズ

 米映画大手ワーナー・ブラザーズは次世代DVDの二規格「HD DVD」と「Blu-ray」双方のフォーマットで記録されたコンテンツを収めることのできるDVDディスク「Total HD Disc(THD)」を開発したと発表した。「HD DVD」と「Blu-ray」は互換性がなく、それぞれの規格を推進する陣営間で対立が起こっていたが、同ディスクが規格競争を一挙に解消する可能性がある。

 最も冒険心のある消費者を除けば、二規格が対立していた次世代DVDではどちらが標準のフォーマットになるのか見極めるために買い控えが起こっていると指摘されていた。

 当初、ハリウッドの映画会社は片方の規格側に立つ姿勢を示した。ワーナー・ブラザーズも初めはHD DVDを支持したが、後に両規格で映画などのコンテンツをリリースすることを決めている。その後、パラマウント・ピクチャーズなど複数の映画会社がワーナー・ブラザーズの動きに追従し、ユニバーサル・スタジオだけがHD DVDのみで映画をリリースした。ソニー・ピクチャーズや20世紀フォックス、ウォルト・ディズニーはBlu-ray側という姿勢を堅持している。

 小売店などはどちらかの陣営が妥協するか、一つの規格がはっきりと優位に立つことを望んでいたが、ワーナー・ブラザーズは、両規格の映画を一つのディスクに収めるという方針に出た。

 ワーナー・ホーム・ビデオ社長のRon Sanders氏は、「ワーナー・ブラザーズは、DVD標準規格が現在のように市場を独占するようになる過程で強い影響力を与えてきた。我々は、THDによって平均的な消費者が次世代DVDをより簡単に楽しむことができるようになることを望んでいる」と語った。

 ワーナー・ブラザーズが競合する映画会社に同ディスクのライセンスを供与するのかといった詳細な事項については、来週にラスベガスで開かれるInternational CES(Consumer Electronics Show)で明らかにされる予定。

 一方、同ディスク以外にも互換性のない二規格が並立している現状に対応するための製品の開発が進められている。韓国のLG電子は4日、「HD DVD」と「Blu-ray」を一つのプレーヤーで再生できる両規格対応のプレーヤーを開発したことを発表した。他の家電メーカーも追従すると見られる。

 ワーナー・ブラザーズは3つのフォーマットで映画を記録できるディスクの特許も取得している。二つは次世代DVDの二規格で、一つは現行のDVDプレーヤーで視聴することのできるものである。


IBTimes - 2007年1月6日