意外な視点からホームネットワークの本命となるか・米Control4【CESリポート】

 今年の「コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)」では、これまでのホームネットワークやホームサーバーといった提案はどちらかと言えば影が薄くなっている。そのなかで、米Control4社(ソルトレークシティ)の提案はこれまでのいわゆるデジタル家電機器をどう制御するかという視点にとどまらず、「快適な生活」をどう実現するかに着目している点が姿勢が新鮮だった。(江口靖二)

 たとえばちょっと前の「未来のデジタル生活」みたいな話として家庭内の照明を1つのリモコンでコントロールできる。テレビにコントロール画面を映し出すこともできるし、小型のLCDを内蔵した壁埋め込み型や10.4インチのタブレット型の機器もある。これらのユーザーインターフェイスは同一であり、かつ秀逸だ。Webベースで外部からのコントロールも可能で、会社からエアコンをオンオフしたり不在時にリビングの照明を自動点灯したりできるほか、緊急時には全照明を点滅させることも可能だ。

そして何より重要なことは、これらをすべて「既存のインフラ」で行うという点だ。ここで言う既存のインフラとは有線か無線のLANであるというのがいかにも今どきであるが。有線のLANは注目のPLC(電力線通信)環境でも使用可能で、今後はPLCを内蔵した機器も登場するようである。

 もちろんホームサーバー機能もあるので、テレビ番組や映画DVD、音楽CDも家庭内で共有できる。目覚ましの音楽(フェードインもできる)と連動してブラインドや照明をコントロールしたり、映画を一時停止すると照明が明るくなったりという未来っぽさもある。

日本経済新聞 - 2007/1/11